思考の出力 RDR2

日記

  緩慢的に過ぎていく時間が怖い。何もしないでいたいのに、環境だけが進んでいくせいで段々と自分の首が絞まっていくのを感じる。

 

余談

  ゲームは何の労力もなく出来るので、受動的な姿勢で挑む事ができる。最近で言えばレッドデッドリデンプション2が特に面白かった。西部劇版GTAと称されているシリーズだけあって、銃撃戦や強盗などのクライムアクションの質が高く、他にも食事や睡眠などの生活シミュレーターの側面も含まれており、一人のアウトローになりきる事が出来た。移動、ジャンプ、発砲、飲酒など、何をするにしても全てがスローペースな作品で、その感覚に適合するまでは苛立ちを覚えてしまうかもしれない。しかし、それぞれの固有モーションが極めて緻密であるため、慣れてしまえば西部時代のアメリカに没入する事が出来る。

  一際素晴らしいと感じたのは、病的なまでにこだわった環境づくりだった。森や農場、それら自然の細部には動植物の生命が宿る。サンドニの街では人間達の息遣いが高湿度の空気によって伝播し、生活が確かに存在している事を思い知らされる。ゲームの嘘を極端に省き、快適さを棄ててリアルを追求したゲームデザインだからこそ、より一層、これらの世界に没入する事が出来た。 

  決してGTAシリーズの様に万人受けするソフトではないが、ゲームオタクは絶対にプレイし、西部時代の終焉を生きる男達の物語を追体験して欲しい。

 

インターネットの受け売り